良い挑戦。

1/13 手塚厩舎
13日は軽めの調整を行いました。「先週の競馬は考えるだけで悔しいですね。京都開催が始まって間もないタイミングなので仕方がないのもあるのですが、内を通ったもの勝ちみたいな競馬で、枠順がそのまま出てしまったような結果でした。外が伸びないということでもなければ、この馬自身が伸びていないということでもありません。ただ、内側が硬くて止まらないという馬場状態なので、外目を通った分、負けてしまったと言ってもいいようなレース結果だったと思います。まともに走ることができれば勝てると思っていましたし、そうすれば賞金が加算されて重賞へのチャレンジもしやすくなると思っていただけに、うまく行かず本当に悔しいです。番組を見ていただいてもわかると思うのですが、芝の短距離を使おうと思うと賞金を持っていない身としてはしばらく使えるレースがなさそうなんです。何とかシルクロードSに入らないかなと思ったのですが、調べたところ現時点で入るか入らないか微妙なラインでもあります。もちろんあくまでも調べただけで、蓋を開けた時にズレは生じているかもしれませんが、ジョッキーの手配の点からもその状況だと不利ではありますからね。そうなると、そこだけを目指していくというのは、除外された場合のリスクが高すぎますね。今週のレースへの連闘も一度は頭に浮かんだのですが、さすがに雑になってしまうでしょう。そこで考えた結果、具合はいいので、このタイミングでダートを狙ってみるのもありなのではないかと。父がキンシャサノキセキですし、ダートをこなしても不思議ではなく、いつかはやってみたいという思いもあったんです。それに、来週の京都であればルメールが再び乗れるということです。同じ人、しかもルメールほどのジョッキーが乗ってもらえるのであれば適性の有無もハッキリ確認できるのではないかと思います。もちろん芝に見切りをつけたというわけではありません。ただ、今は賞金も加算しなければ思うようなレースも出られないですし、今の状況を逆手にとってチャンスを見い出せないかと思い、この後の状態や出馬状況に問題が生じなければ試してみようという気持ちでいます」(手塚師)このあとの状態と出馬状況次第になりますが、今のところ23日の京都競馬(太秦S・ダ1200m)にルメール騎手で出走を予定しています。
1/20 手塚厩舎
20日は美浦南Wコースで追い切りました(68秒7−53秒2−38秒6−13秒5)。「今回は中1週での輸送競馬になりますから、あまりやりすぎないように意識した調教を行いました。ただ、元気がいいし、如何にも短距離馬という感じで前半から気持ちの入った形でスタートしていました。その分全体的には時計も出ていますが、しっかりと動かしたのは実質半マイルです。動きは良い意味で変わりありませんよ。そして、コンディション面もキープできていると思います。これまで芝に専念していた分、初めてのダートをどうこなすかはやってみないとわからないですよね。もしかしたらすごく走る可能性もありますし、なんでこれまでダート使わなかったの?と言われたらどうしようと思うくらいですが、走ってくれたら芝もダートも考えていけますから、もちろん悪いことではありません。キックバック等の不安もありますが、気性的には苦にしそうなタイプではないのでこなしてくれないかなという思いはあります。もちろんその時の状況にもよりますが、砂よけ対策はしつつ競馬へ送り出して、どのような走りを見せてくれるかしっかりと見極めたいと思っています」(手塚師)23日の京都競馬(太秦S・ダ1200m)にルメール騎手で出走を予定しています。

 私も前走後、書いたとおり、左回りの芝オープン1200m以下の条件は当分適鞍がない。距離を伸ばすメリットも余り感じない。であればここはダートを使って見る手だろうなと。そう考えるのは楽ですが、実際に使う側がそれを実行してくれることは競馬(一口)では案外少なく、まして更新内容のように、ベクトルも一致しての挑戦ってのは稀です。手塚という調教師は、トータルの成績で言えば関東の中堅よりやや上、というポジションではありますが、短距離馬に関しては一流、と出資時にも言いました。こういうメンタリティがその辺を裏付けて居るんだろうな、と。

 キンシャサノキセキ産駒は芝よりダートの勝ち鞍が多いんですけど、馬を見てみると芝で通用しなかったり足元の関係なんかでダートを中心に使われている馬ばかりで、芝実績があってダート使ってる馬っていないんですよね。OPクラスの芝馬がダートを走るのはこれが初めて。この馬の結果次第で、昨年続々勝ち上がった明け3歳のキンシャサ勢もレースの幅が拡がるかも知れませんね。

 まあ実際、ダートでまったく走れない可能性も全然ありますが、走ることによって失う物は全くなく、買っても負けても得る物は大きい。鞍上も文句なし。本当に、心から歓迎できる挑戦。頑張ってきて欲しい。

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