一口のリアルと向き合う企画その1

 その2があるかどうか分かりませんが。久々にちょっと真面目に一口と向き合いつつ、統計的なデータを纏めるエントリです(仕事が煮詰まった時間を見計らって、コツコツ溜め込んできました)。

 と言っても、一口の統計はかの素晴らしい「一口馬主DB」があれば九分九厘賄えますし、ほとんど不要なのですよね。そんなわけで、今回私が行ったのは、キャロットが絶好調だからこそ送りたい、その残り「一厘」を突く企画。あるいは一口禁断の企画? そう…

厩舎ごとの維持費比較+維持費込みの回収率について

 …です。キャロットでは結構前から、維持費が固定ではなく厩舎ごと、馬ごとに実費の形で請求されることになりました。以後、毎月の明細を見ていて「この厩舎、この成績にしてはえらく安いなあ(高いなあ)」「え。今月何でこんな掛かったの?」ということが往々にしてありまして。その辺を紐解き、自己分析をしつつ、本年以降の出資を検討する際に「経費」のイメージとして、一つベースを作っておこうかな、と。ある意味生々しいデータなので、自分用に集計だけして死蔵しようかとも思ったのですが、せっかくそこそこ労力掛けたので、何かの参考になればと思い、出してしまいます。あとはまだ「一口=儲かる」イメージの方に、現実を見ていただこうか、と。

 前置きはここまで、早速きりたの、約7年分(溯れた範囲)の維持費統計データです。「維持費の総額」というイメージで取るため、保険料なども含めています(海外遠征費用や祝勝会費用などの特例的な出費は除きました)。

2008年10月〜2016年1月/2歳1月から集計/現3歳世代まで

厩舎    頭数 月数 総額 月平均 1走当 賞金比 −出資
(美)上原  4 179 237416 1326 3441 205.2% 118.1%
(美)大竹  1 12 16323 1360 8162 20.9% 6.7%
(美)金成  1 15 22326 1488 1861 178.4% 76.1%
(美)菊沢  1 4 5288 1322 5288 18.9% 4.9%
(美)小島茂 2 56 79972 1428 2962 221.5% 101.2%
(美)手塚  1 27 38555 1428 4819 315.1% 137.2%
(美)堀   1 51 73405 1439 4318 270.0% 121.3%
(美)松山将 1 19 17920 943 - 0% 0%
(美)武藤  1 27 32087 1188 4584 74.1% 41.6%
(美)和田正 1 21 25271 1203 2297 120.9% 60.8%
厩舎    頭数 月数 総額 月平均 1走当 賞金比 −出資
(栗)岡田  1 21 25295 1205 8432 17.1% 6.2%
(栗)今野  1 25 28873 1155 9624 9.4% 4.3%
(栗)須貝  2 61 83974 1377 2545 125.7% 85.2%
(栗)高野  1 12 17749 1479 5916 291.6% 36.3%
(栗)中尾秀 1 41 50260 1226 2792 310.3% 155.6%
(栗)西園  1 37 48634 1314 1737 201.9% 102.7%
(栗)平田  1 82 117977 1439 3025 240.4% 143.3%
(栗)松田博 1 31 57327 1849 5212 1597.9% 582.2%
(栗)松永幹 1 21 24049 1145 4008 46.1% 12.4%
(栗)森田  1 16 21010 1313 3001 62.7% 28.6%
(栗)安田  1 70 97886 1398 2387 273.6% 164.5%
(栗)吉田  1 27 39388 1459 3282 304.7% 134.3%
厩舎    頭数 月数 総額 月平均 1走当 賞金比 −出資
美浦計    14 411 548563 1335 3562 197.4% 97.7%
栗東計    13 444 612422 1379 3002 336.8% 156.0%

 実は昨夏の引っ越し時に近1年だけ残して明細破棄してしまったので、14年6月以前はクラブの明細ではなく自分の出納帳を見て記載してます、ので、(ポイントとか別の馬関係経費がが紛れ込んでて)ちょっと数字にずれがあるかも…? まあでも大枠を把握するのには問題ないと思います。

 私くらいの出資頭数だと余り維持会費平均の偏りは出なかったので(特に出来るだけ違う厩舎に出資するようにしてますし、厩舎の個性というより馬の質次第という感じに)、精神的な健康さを示す「1走あたりの維持会費≒1度走るまでにどれだけご飯代支払ってるか」と%を見ていただければ。

 1走あたりの維持出費が安くて、賞金比が高い厩舎が心身共に健康につきあえる厩舎と言っていいかもしれませんが、関東では上原さん、コジシゲさん、金成さん。関西では中尾さん、安田さん、吉田さんあたりがイメージ通りなのに対し、数字上はとてもヘルシーな西園、平田あたりのストレス度は馬の活躍とは全然違うところから来ているなと改めて実感。まああと、堀さんあたりはやっぱ、OPクラス持たないと満足できない厩舎ってのは何か分かりますね。勿論、私の馬の質(運)による所は大きいですが、だいたい、30〜40月を越えると厩舎のイメージと数字が合致してくる感じはありますねー。


 で、最後の「−出資」というのが、維持費に出資代金を足して算出した回収率です(転厩馬の出資代金は半分ずつ)。こちらも、明細が近年分しか残っていなかったので、総賞金に対する%になっていますが、実質、クラブの諸々控除や引退清算金、会費などを考えるとこれが140%越えていれば黒字ってところですかね。一口馬主BDでは回収率273%となっている私のキャロット出資履歴ですが、こうしてみるとこのくらいの数字ではまだギリギリ赤字ということが分かって、切なくなりますね。まあ、お金儲けのためだけにやってる趣味じゃないので、これだけ楽しんで、使ったお金の80%以上戻ってきたらもう万々歳という認識ですが(サウス以下赤字クラブを通算するとどんな数字になるかは考えたくもないし絶対に調べない…)。

 当たり前ですが、平均出資価格が低ければ低いほど、維持会費のウェイトが重くなってきますので、皆さんが私と同じくらいの比率になるとは限りませんが、年2〜3頭ペースで出資、平均価格5万強くらいの予算でやっていると、1頭あたり5000万は償金稼がないとペイしない、というイメージは持っていて良いと思います。5万の馬で5000万稼ぐってことは、1000万で勝ち負けするレベルじゃないと無理ってことです。どちらかというとアベレージヒッタータイプの私は、この数字は強く意識しておきたいですね。あるいは、言い換えれば、年間15万の予算で一口出資するには、維持会費込みで40万くらいは見ておかないと持たないよ、ってことですかね。健全に続けるには、一口に使えるお小遣いの40%以下に出資額を抑える。ああ、なんだかリアルな数字だなあ…w


 当初は「各厩舎でこのくらい維持会費には差があるよ」というのを見せたかったのですが、私のやり方だとそんなに差が付かないという結果になり、ちょっと方向性を変えました。多分このデータ、自分のを調べるのは結構めんどくさいので、私より平均出資価格が高い人は一口馬主DBの回収率200〜250%、安い人は300%〜(いずれも手当込み)を目標に頑張ってみましょう、というお話でした。そしてこれから一口を始める人、一口を始めてまだそんなに頭数持ってない人は、この辺の数字を意識して馬を持つか、もしくは楽しめれば収支はどうでもいいや、と割り切るか是非どちらかで長く楽しんでください。

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