調教師ランク2014(今更編)

 例年、募集時期にやっている企画ですが今年はスキップしてしまいました。結果「今年はやらんのかい」と結構突っ込まれました。個人的には10年振り返りで結構お腹いっぱいだったのと、こう見えて(どう見えて?)この記事書くときは記憶をフレッシュにするために一頭一頭調べ直したりもする手間があり若干億劫だったのですが、あれ今だったら10年企画の余韻と勢いでいけるんじゃねえ? ってことで、年末進行の隙間を縫ってぬるっと書いてみましたよ。
(こちら2013版2012版

きりた出資厩舎(+出資候補厩舎)に限る
ランクはSSS〜Eの8段階
/の後ろは出資馬と中央勝利数

■SSS(別格)

  • 角居勝彦/レッドジール2・プリンセスデザイア1・エリンズフォレスト1・レッドバビロン1

■SS(積極的に出資)

■S(合いそうな馬なら積極的に出資)

  • 石坂正/デルフィーネ0
  • 金成貴史/マージービート1(西園厩舎から転出)
  • 堀宣行/エルマンボ4

■A(馬の質が合格点なら出資候補)

■B(余程良い馬か、安ければ検討)

■C(余程良い馬なら検討)

■D(NG予備軍)

■E(NG)

 SSSランクは相変わらずの単独1名。と言うかこのランクは角居さんのために用意してるようなもので。自分の信頼度としては上原さんもこのランクに相応しいのですが、夢を見られるという部分、走らない馬への細かな気遣い、その他諸々、ポテンヒットからホームランまで楽しめる=一口の醍醐味が全部詰まってる、というのは本当に希有な環境で。私的にはホームランか三振か、という厩舎の魅力も否定しませんが、三振する姿にこそ人格・品格が顕れるというもので。競馬なんで馬脚を現すと言うべきか。角居さんほどは飛ばないけどケアが良い厩舎は上位、角居さん並に飛ぶけどケアが酷い厩舎は軒並み下に来ています。世間的にはここは逆でしょうが、POGや一口ビギナーならともかく10年も続けてれば一口は全部がホームラン狙いではないってのはどうしても染みつくスタンスですからね。雑に目を振って大振りするような人はどれだけ飛距離あってもまぐれだし外れから何も学ぶ気がないのでゴメンです。角居さん以外のG1厩舎は、他でも同じ成功しただろうという馬が殆どですが、角居厩舎のG1馬は他だったら大成してないなと感じることが殆どです。角居さんほど未勝利馬500万馬故障馬から多くを学んでる人はいないんじゃないでしょうか。だからこそ1勝2勝で終わってもまた是非、という気持ちがまったく萎えない。勿論環境(出資しづらい状況)は依然厳しいですが、そんな中で価格血統共に抜群だったディアデラマドレ(最優先落ち)が重賞2勝と頑張っているのが励みになるような、最大のチャンスを逃したような…でもなんとかここで重賞勝ちたい。それが今の一口継続最大のモチベーションと言えるかも知れません。他のクラブの方が買いやすいですが、一口で、ホントの意味で角居イズムを味わえるのは多分キャロだけですからね。難儀だ。


 SSには定位置の2名と今回から安田さん。安田さんのオペレーションは適性などである程度限られる部分はありますが、そこに乗ってきた馬の使い方、育て方は見事としか言いようがない。勿論型に填めるだけで馬の個性をまったく見ていない某関西短距離厩舎とは雲泥。早熟な馬から晩成な馬まで、しっかり花を咲かせてくれます。クラシックタイプもワンチャンありますけど、やっぱ芝のスプリント〜マイルで勝負したい馬を狙い打ちしたいですね。フレデフォート以降、本気で欲しいと思う馬が所属クラブで募集されていないので、そろそろ積極的に気に入る馬見付けてチャレンジしたいところ。

 コジシゲさんは今年ピースの初子でまた関われると楽しみにしていたんですけどねー。正直、ディープじゃなくて良いのである程度価格を抑えた馬でお世話になりたい気持ちが強く、初年度がこういう形で流れたからには次の募集は8万以下で収まる血統が良いな。調教師としての技術以上に人柄というか、説明責任という部分が評価高いわけですが、三浦君がもう一枚殻を破ってくれるともっと報われるんでしょうけどねえ…。

 愛して止まない上原厩舎。ここの良さはホント、他人に説明しづらいのですが、私のブログ見ている方ならもう伝わってると思います。弱いところのある馬を上手く育てていき、無理しないところではちゃんと我慢する。それでも定期的に勝負をかけてくれる。旧来ほどアウトレット感のなくなったキャロとは言え、血統だけで一流厩舎に行っている馬はコストパフォーマンス悪く、やっぱり本来ならもっと高値か上の厩舎に行くところを何処か不安があってこの値段に抑えられて関東の中堅に回るような馬が魅力感じます。その点で上原さんの所であれば駄目でも諦め付くし、希望はしっかり持てる。この点では間違いなく日本一の調教師。ここで不満溜まる人はもう一口辞めた方がいいと思います(勿論、基準は人それぞれでしょうが)。まあ大抵不満言う輩は安い馬買ってるのにブルジョワ感覚で勘違いして、高望みして、勝手に裏切られてるんですけどね。関西至上主義に凝り固まっておらず、身の程を知る人には心底お勧めできる厩舎ですよ。


 Sランクは3名。石坂さんは言わずと知れた名門で、芝のクラシックからダートまでどんな馬でも楽しめる幅の広さが魅力。一方で打率は低く、軌道に乗った馬以外の扱いは存外雑。まあ、この辺は角居さん以外の関西一流厩舎に共通したマイナス材料なんですけど。合う馬かどうか見極めるセンスは他の厩舎以上に要求される感じがします。そろそろもう1頭出資したいですね。

 金成さんはマージービートに尽きるわけですが、その後徐々に成績を伸ばされています。重賞制覇もサクラレグナムが頑張って遠い話ではなくなってきました。なかなか募集機会はないですが、来たらかなり前向きに検討しています。

 堀さんはワンランクアップ。数を使わないと言うところはあるにせよ、休ませたら休ませただけの成果を上げるし、とにかく無理をしない人。その分、生涯1度のチャンスへ向けて無理に使うことはまずしないのでクラシック欲しい人(馬)には不向き、長い目で見て回収してチャンスあれば大舞台でも、というイメージの馬にはうってつけでしょうね。エルマンボで重賞取ったらSS入りです。


 Aランクは4名。久保田さんは何が悪いというわけはなく、依然安定しているしダート馬であれば本当に潰しが利く。1つ下げたのはS以上のメンバーと比べて、相対的に出資意欲がちょっと下がってると言うだけで、気に入った馬がいたら躊躇はせずに踏み込めるところです。元々強かったナベヒロとのパイプが、彼が一流サイドになってからやや希薄なのが気がかり。以前から鞍上を固定しきれないところもあったので、騎手起用がもうちょっと安定すればもういちランク上の厩舎になると思うのですが、このままだとむしろBに近づくかな…。奮起期待します。

 大竹さんはクレバーで、コジシゲさんと堀さんの中間という感じ。こちらもずっと良いイメージ持っていて、1歳出資できたので楽しみが更に膨らみました。名前挙げた2調教師の良いところも悪いところも包括していて、今後はどっちの色が出てくるかですね。関東では有数の期待株です。戸崎・ナベヒロとのパイプがより強固になれば、Sランク入りも。

 マツパクさんはハープスター1頭という縁から評価が難しい。もう定年近いですし今後のチャンスはないからこの位置で良いかな。来年は是非ドバイに行って欲しいですね。

 手塚さんは関東版の安田さんという感じで、預かってる馬のランクは一枚二枚劣りますが、成績的にはよく頑張ってるなと感心します。走る馬は外人、戸崎、三浦、松岡など騎手レベルまずます高いですが、ちょっと走らないと嶋田あたりのオモチャになる怖さもあり、サフィロス引けたとは言え、Sランク以上の調教師さんに比べるとちょっと慎重に選ばなきゃ、という感じはします。あとこの厩舎のG1勝ちは全部アで始まる馬で、2011年以降の重賞勝ちも全部そう。馬名考える人はア始まりをもっと意識してください。

 未出資厩舎の中では高野さんは1歳がいるので楽しみ。あとは奥村さん。元国枝さんの所の助手で、フォルタレーザでもお世話になりました。あの馬の夢の続きは国枝さんよりこっちで見てみるかな、という気持ちで。


 B・Cはざっくり。Bランク。国枝さんは現状、入る馬の値段や扱い、打率を考えると堀さんより2ランク、久保田・大竹・手塚あたりよりは1ランク下の評価が妥当かなあ、という感じ。個人的には好きな人なので、また上げていく機会があればいいのですが。中尾さんも悪印象というより相対的に。馬主コネクション的に橋田B的な空気感も出てきていて、そうなると敬遠材料なんだよなあ。和田さんは安馬御用達って感じだけど、もしこの厩舎だからと価格抑えめなのに人気しなかったら全然買い材料になる。矢作さんは世間で悪く言われすぎ。旧来の森イズム継承者としての魅力はあるし、地味めの血統で楽しみたい。今野さんは初出資時の期待通り関西で頭角表しつつあるけど、やっぱりまだ下の条件の方が信頼できるので、OP馬を通じてオペレーションを再評価してからの再出資と行きたい。武藤さんは娘さん…じゃなくて、地味血統で堅実に走らせるという意味では一口向きか。こういうところで当たり引けたら気持ちいいですね。吉田さんはやっぱりダート。大物候補よりちょっと外した馬の方が出世する印象。未出資では斎藤さんと野中さんが興味高まっている。


 Cランク。須貝さんは正直Dまで落とそうかと思ったんだけど(心情的にはもうDだけど)昨年高評価をしてしまった反省を混めここで。この1・2年でこんなに馬脚を現すとは。走らない馬への扱いが雑すぎる。走る馬も鞍上含めポリシー感じられない。馬主牧場サイドに従順と言えばそうなのかも知れないが、結局は芯がない感じがするし、馬を作る能力という部分では疑わしいと感じるところが増えてきた。当分出資はないだろう。岡田さんもどうもピリッとしませんね。何処か明白に悪いところがあるわけじゃないですが、何が得意なのかも良く分かりません。鹿戸・古賀のカズー閥組は師匠の劣化版、かつ特に個性もなく。どっちかというとまだ鹿戸さんの方が面白そうだけど、なら他の関東厩舎でいいやって感じ。松山さんも伸び悩んでますね。今後には期待してますが、今手を出す理由はないかな。中川さんも地味。ならもう少し上位か若手で良い。森田さんは良いところが見えない。関西はこういう謎調教師量産してるとトップトレーナー以外カッスカスになっちゃうよ。藤岡師は結構好きなのですが、藤岡兄弟を騎手として全然信用してないので、無理。戸田さんは色んな部分で下手さが目立つ。結果は出てますが、ここじゃなきゃ成功しなかったな、って馬は見あたらないんですよね。逆はチラホラいますが。なまじ血統レベルは高いので、てこ入れの機会(意識)もなさそう。池江ジュニアはお金持ち向け。それでも大三振も多いし。400口クラブで選ぶ厩舎じゃないよなーという感じ。音無さんも個性は違えど似た感じ。POGならいいんですけどね。宗像さんも嫌う理由はないけど手を出す理由もない。関西に比べ近年創意工夫を感じる関東の調教師ですが、この辺の中堅はあんまり変化感じませんよね。


 DランクはEとほぼ同様で、今後出資は99.9%無いけど、Eほど救いよう無くないというか、まだ何かいいところ、認められるとことはある厩舎。もしくはEの連中ほど言動不一致で低劣な人間性さを感じないというか。僅差には違いないですが。

 橋口おじいちゃんは定年間近でもうここから人を育てようとかそういう気概はない。それでもダービー勝てたのは一競馬ファンとして嬉しかったですね。ただ今後の競馬界を思うのであれば、蒔いた種を狩るというか、最後のお勤めとして競馬サークルに小牧禍を残したままには去らないでいただきたいところ。きっちり干すか、一緒に引退して欲しいですな。

 庄野さん。実績ベースで見ると関西でも徐々にポジション上げてますけど、相変わらずなんで勝ってるのか良く分からない。前年も書いたように周囲とのコミュニケーションに難があると感じることが多く、勝ってもストレスが溜まるので基本関与したくない。人が出資するのを止める感じではないですけど(いや、Eに出資するのも止めないですけど。ただ、あとで不満言われても知らんがなとしか返せないので勝手にどうぞという感じです)。

 鈴木さん。レースを選ぶのが下手で、失敗を繰り返す典型的な私の嫌いなタイプ。低迷期の関東調教師らしさを継いでるというか。戸田さん宗像さんよりスケールも小さい上で、なので、まあ、このポジション。


 Eランクは毎年書くこと一緒なので、新人以外はざっくり行きます。幹は馬も現場も調整する能力が異常に低い。騎手時代に魅力でもあり超一流になれない理由でもあった人間的な柔らかさ=優しさが中間管理職になってより悪い方向に向いてる感じ。今の時代、調教師って組織のトップじゃなくて中間管理職ですからね。政治力と芯が必要。この人は前者はハイレベルですが、後者は完全に落第ですね。西園は嵌らない馬の扱いがホントに酷く、そのストライクゾーンも安田厩舎より遙かに狭い。勿論技術や熱意も劣る。今後伸びる要素は感じませんね。カズーには言うこと無し。むしろ一口やるなら一度は経験して損はないとすら思う。人の失敗談からは知識は得られても痛みは共有できないからね。友道さんは、まあ、角居さんとの差が全て。恵まれてもダメなものはダメですな。森は最大の武器だったレース選ぶセンスは雲散霧消しても馬主を引っ張ってくる才能は健在なのかなーと成績見ていて思う。あれだけグッズグズの状況から30勝ベースまで戻してくるのはたいしたもの。だからといってもう関与したくはないけど。藤原は人でなし。良血馬を掃いて捨ててその中で当たりを出してる「風」の「西のカズー」。正確にはカズーと往年の伊藤雄さんの欠点を併せ持つ感じかな。長打力はあるので自分の運に絶対的な自信持つ人だけ行けば良し。まあ人格的に400口クラブ見下してそうなので、走ったら事故だと思いますけどね。

 で、新人さんの平田君。アンヴァルトのレース使いを見ていても、どれだけバカかは良く分かる。明らかに馬の走りに合っていない条件に固執して、たまにそこを外れて(除外されたりレースがなかったり)好走しても認めず、凡走したら「ほらこの条件あわない」と嬉しそうにする。好不調の判断もろくすっぽまともに成されない。騎手起用も極めて杜撰。上手く行ったレースも上手く行かなかったレースも決めつけるだけで結果をろくすっぽ分析しないので、同じミスを何度も何度も繰り返す。そこから学び取るどころか、ミスをミスと認める度量もない。というかミスと理解することすら出来ていない。人の言うことを聞かないであろうタイプで、下で働く人間がかわいそう。ノーザン社台にある程度信頼されていて数字上げてるけど、一度つまづいたら多分若手に取って代わられるのも早いだろう。今、幹と並んで最もオススメしない調教師。



 個別には以上。以下はまとめ。


 関東の調教師で駄目だなーと思う人は一時代前の人が多いんだけど、関西でそう思うのは現役バリバリが多い。なんでそうなのか、と考えるけど、西高東低というイメージ(実績)があまりに刷り込まれすぎて、機械的にそれを鵜呑みにして西を礼賛する関係者やファンが多すぎるんだろうな、と。私から見て、まだ血統の差・環境の差は大きいけど、人の部分ではもう西高東低の時代は終わっている。いや、正しくはなんにも目覚めていない関東調教師も結構いるんだけど、危機感もって創意工夫してる関東調教師は、恵まれまくって天狗な関西調教師より余程優秀というか信頼できるというか。関西で条件馬の扱い流石だわ、と思う人、結局角居さんとか安田さんとかリーディング上位だけだもんなあ。それ以外の上位は上澄み部分以外は結構澱んでるし、中位以下は明らかに関東より酷い有様。

 関東はトップの層は厚くないけど、馬のランクに合わせて棲み分け出来てるし、中位以下にも個性と見所のある人は西より明らかに多いので、人を見る目があれば関東の方が手堅く行けるし、その延長線上の当たりも望みやすいんじゃないかって話。結局、大多数の一口プレーヤーにとっては馬の良し悪しに比べたら人、特に調教師の質は二の次なんでしょうけどね。そこを気にせず成功してる人は、馬を見られるってより運がいいんじゃないかな。何度も言うけど1歳馬を見て将来が分かる人なんて、この世に何人もいないと思うし。だったら預かる環境(調教師だけじゃなく育成や騎手などその厩舎を取り巻く環境やバイオリズム含め)を重視して選ぶ方が中長期的な成功は見込めるんじゃないかと。


 キャロも抽選厳しいクラブだし、値段も高い。良い関西馬はまず大抽選。打率低かったり400口クラブ舐めてる調教師でも別に人気は落ちない。なら、そこそこよさげな関東馬を人コミで選んで、そこから当たりを引きたいものです。個人的に天栄に比べしがらきの仕事は杜撰で人も余り信用してないと感じさせられる事象が多いですし(あくまで個人的に)。そうなると10日競馬が主流になる頭数制限厳しい今後のキャロ条件馬。使いかた粗雑な関西厩舎とコミュニケーション不足の外厩、にも関わらずトップレベルのイメージだけで人気は落ちない…。大物クラス以外は本当に厳しくなってくると思いますしメリットは年々希薄になっていっていると感じます。

 今後は関西馬はドラ1クラスを一本釣り、2番手以降は関東馬をしっかり吟味するスタイルで年3〜4頭ペースで出資して行ければと思っておりますよ。その為にも、年1頭は最低新しい調教師を開拓してデータ蓄積してかないとな。今はとにかく環境の変化が早い時勢ですからね。5年10年前の調教師データはもう余り役に立ちません。鮮度という点ではせいぜい3年か…。なかなか大変ですが、そこが楽しくもあるので今後も頑張りたいです。まず来年は高野さん吟味。楽しみですね。

当ブログの一口馬主関連記事の一部はキャロットクラブさまより許可をいただき転載しております。記事の再引用、転載はご遠慮願います。