新・世界樹の迷宮

新・世界樹の迷宮 ミレニアムの少女 - 3DS

新・世界樹の迷宮 ミレニアムの少女 - 3DS

 クリア。以下ネタバレ有り。


 最近アプリゲーを多くプレーしていることもあり、据え置き機なんてまず触りませんし、携帯機も移動中にはプレーしなくなりました。必然的に1本のクリアは遅めになりますな。

 さておき。新しい世界樹。これだけの名作も4回5回と続けて、新要素を見せるのは至難と言えます。マイナーチェンジだって、余程上手くやらないと今の瞬間消費飽き性なゲーマーにはなかなか前作以上とは言って貰えない。そんな中、純粋な続編(マイナーチェンジ)だった2、新要素を上手く取り込んで可能性を見せた3・4に続いて、大きな変更が加えられました。

 ウィザードリィも辿った道と言えば辿った道。根幹の自由度を司る「キャラメイクとパーティ」を排除し、既成キャラクターによる物語の完成度を上げてきました。その結果、世界樹ではなくなってしまう不安もありましたが、なんのことはない、ちゃんと世界樹ですね。そこは正直に感嘆しました。

 既存キャラにした場合、一番の不安は「主人公の薄さ」で。今の主流は、普段は主人公=ユーザーなのに、イベントになるとユーザーの手を離れてバリバリ自己主張しだし、「はい、言いたいこと言ったので後は宜しく」とばかりにまた投げ出してくるタイプ。テイルズとかのタイプですね。これは、作り手(ストーリーライター)の100点を見せやすい(100点に見える角度に固定してハリボテの裏を見せないことで、平面だけ作り込めばよい)というメリットと、俯瞰に追いやったユーザーの感情移入を前後でしっかり丁寧にやらないと、その瞬間しらけてゲームへの再侵入を困難にするデメリットを伴う諸刃の剣。テイルズとかは、明らかにそこで失敗している作品も良くあります(成功したときは凄いんですけどね、このシリーズ)。どう考えてもその手法は世界樹には合わないので、主人公は多分影の薄いキャラクターだろうな、と。

 まあ、案の定そうだったわけですが、そこがかえって世界樹らしさを繋ぎ止めるポイントになっていた、と言うと、ちょっと好意的に過ぎるかも知れませんが、少なくとも私はそう感じました。個性的で躍動的なメンバーとのギャップを感じさせるところもありません。これはひとえに、クラシックスタイルのRPGの作り方=昨今のように、イベントやムービーで要点を解決してしまう手抜きスタイルではなく、あくまで導入だけ投げて後はユーザーに委ねるスタイルをしっかり守っているからでしょう。懐古主義も、薄っぺらい新しさ礼賛も嫌いな私ですが、世界樹のスタッフさん達はやっぱり懐古に溺れない「良さを使いこなす」術に長けていますね。

 3・4と比べると、ギミックが物足りないとは感じました。海や空の冒険は、やや実験的で未消化な部分もありましたが、新しい世界樹の方向性を提示してくれた素晴らしい挑戦でしたが、今回は綺麗に捨て去ってきましたね。流れとしては2に続く形と言っていいかも知れません。そこがやや残念とも言えますが、今回挑戦するところはそこじゃない、と言う割り切りの良さとも言えますし、むしろその辺の(3・4から継続する、まだ成長途上の)チャレンジは新2以降に期待できそうです。

 ゲームバランスは相変わらず秀逸。駆け足で進むと必ず痛い目に遭うし、慎重に行きすぎるとやや物足りなさを覚える。程よい思い切りと程よい用心。心地よいです。キャラが固定されている分、ボスの攻略が特定要素に依存しているのはやや残念ではありますが(クラシックモードの方に、ストーリーを超える面白さが何もないんですよねー)、まあ、許容範囲。


 ともあれ私としては、世界樹のスタッフが袋小路にはいることなく、まだまだ挑戦を続けていくという姿勢を見て取れたのが一番嬉しかったですし、そこに期待できるだけの作りになっていたことに満足しました。単体としては、今までの世界樹と比較して特に高い点を付けるわけにも行かないので8点としておきますが、シリーズを意識しなければ9点の出来ですし、残り1点は次回作以降の楽しみにしておきます。


 次は、セブンスドラゴン2020Ⅱの予定でしたが、とにかくこれ、私の周囲で(趣味の合うRPGゲーマーの)評判がすこぶる悪い。特に前作やってる人はさんざんなんですよね。そんなわけでちょっと一拍おくとして、買うだけ買って放置していたブレイブリーデフォルトを今更再開しようかと。これはこれで、光の四戦士でとんでもないモノ掴まされたので、トラウマでどれだけ評判良くてもやってなかったんですよ(そしてまた、光の四戦士をそこそこ楽しいと言っている人が褒めてたりもするので)。でも名作認定は確立しているようですし、今ならすれ違い要素的な部分は無視して掛かれて良いかなーとか。まあ、これものんびりやるので、ナナドラは年内に始められればくらいで。その頃には別のもっとやりたいゲーム出てるかもですし。

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