伊藤工。

 関東の穴騎手、伊藤工。人気薄の2着3着が多い騎手なので、平場の馬券を買っている関東人にはもう説明不要な人だと思いますが、崖っぷちシーズンですしここで改めて、特徴や狙い目を紹介。

 伊藤工真(たくま)騎手は1990年生まれの20歳。美浦の古賀史厩舎所属。デビュー初年度はゴールデンルーキー三浦と同じ関東所属と言うことで目立たず、わずか1勝。2年目の正月開催で勝ち星を積むと、一気に穴騎手としての資質が目覚め、この年は23勝。昨年も17勝とリーディング50位前後を保っています。現在△(2キロ減)。

 体重が43キロと軽いため、減量の心配はほとんど無く、3キロ減2キロ減を活かして人気薄の馬を粘らせる騎乗が特徴。得意脚質は自在で最後方からのズドンはほとんど無いものの、どの位置からでも飛んでくる印象。ただし単回収35円、複回収68円と絨毯爆撃で儲かる騎手ではなく、臭いときにヒモに引っかけつつ、得意条件で勝負するというのが正しい付き合い方でしょう。

 先週まで41勝に対し、2着85回、3着82回と圧倒的に2・3着が多いのが特徴。1人気は僅か19回だが6勝2着6回で連対率63.2%と高信頼で、人気馬だからといって切らない方が良い。

 コース別に見ると中山で18勝、府中で10勝。騎乗数はほぼ一緒(僅かに府中が多い)なので、中山の方が頭から狙える。逆に連対数は中山44/府中46、3着内数中山67/府中81と逆転。府中ではヒモ付けが良い。福島・新潟でも買えて、それ以外の場ではほとんど乗っていない。小倉は今週が初騎乗で、土曜日にいきなり1勝3着1回。知名度の低さ=オッズの舐められ加減も含め、今後狙い目の競馬場かも知れない。このクラスの穴騎手としては珍しく、中央>ローカル。関東メイン2場で挙げた28勝は、50勝未満の騎手としてはずば抜けた数字で、空き巣狙いで稼いだ数字ではなく、腕は確かということがここからも伺えるのではないか。

 芝は11勝2着32回、ダートは30勝2着53回で圧倒的にダート。騎乗数はそれぞれ684/888なので偏りは明らかだ。特に中山のダートでは16勝を挙げていて、得意コース。穴なら1800が良い。得意距離/苦手距離はあまりイメージないし、数字からも見えてこないが、強いて言えば短距離(1000〜1300m)が好成績。

 穴騎手と呼ばれる若手にありがちだが、所属厩舎の馬はあまり買いではない(これは、所属では一線級ではない馬が大量に回ってくるため。他厩舎の騎乗が少ない騎手の場合はそれも生命線になるが)。所属の古賀史厩舎では118騎乗に対しわずか3勝。ただし2着15回3着7回とヒモでは軽視禁物。中身を見ると、2〜5人気で2勝2着12回3着4回となっており、ここの複回収値は全て100円を超えている。古賀厩舎では人気サイドを押さえるという意識で良いだろう。

 好相性は久保田厩舎で、39騎乗に対し6勝2着4回。単(218円)・複(124円)回収値共に良好で、ここはベタ買いできる。ただし△になってからは信頼度はやや低下。騎乗数も減っており、将来性は厳しいかも知れない。

 鈴木康厩舎も89騎乗に対し5勝2着10回と好相性だが、△で2つ勝っているものの、▲時代の複回収値200円に対し、△は20円と買えない。狙えるのは尾形厩舎。50騎乗に対し3勝2着6回3着4回だが、うち7回は△になった後で、複回収値274円。池上厩舎も13騎乗1勝2着2回で単299円/複219円。水野厩舎は5騎乗と少ないが、3着内3回と非常に好相性。

 関東が主戦場ということもあり、関西の調教師からの依頼は非常に少ない(61騎乗1勝2着2回)。だが、今日の小倉では関西の武田博厩舎の馬で1着3着。この小倉開催は爆発の予感漂うし、ここまでの傾向を無視して狙った方が良いかもしれない。

 時期別の成績を見ると、春競馬・夏競馬の成績が良く、秋競馬は落ち込んでいる(単13円/複50円)。これからの季節が狙い時。

 乗り替わりでこそのイメージがあるが、実は連続騎乗の方が好成績(共に19勝2着41回だが、乗り替わりの複率は10.6%、連続騎乗は20.4%)。乗り替わりでは前走石橋脩・蛯名・田中博といったあたりが好成績。前走1〜3着の馬で回収値は安定しているが、穴目なら6着以下。ここで17勝2着36買い3着34回。更に絞ると、前々走掲示板→前走で2桁着順という馬での巻き返しが目立つ。

 減量が利くのは軽量馬、というイメージもあるが、479キロ以下より480キロ以上の方がずっと成績がよい。今日の2頭も480キロ以上の馬だった。特に500キロ以上の馬では複回収値100円を超えている。459キロ以下は特に信頼度落ちる。大型馬は積極的に買い

 枠で見るとあまり大きな偏りはないが、極端な内と外はあまり良くない。8枠は連対27回と最多だが、複回収値は49円と低調。1枠も59円。大内・大外の穴狙いは厳しいかも。

 平場と特別では明らかに平場>特別。当然下級条件が狙い目だが、OPは騎乗数少ないものの26騎乗に対し複内5回と悪くない。複回収値も116円。思い出すのは昨秋・紫苑Sのクラックシード(5人気2着)だが、バーデンバーデンCも5人気ウエスタンビーナスで前から押し切った。どちらも鈴木康厩舎の馬で、この厩舎が上級条件馬を任せた時は信頼したい。

 まあそんなわけでして。2010年までに馬券に207回絡んでいる騎手。勝ち星のイメージ以上に買える/買わなければいけないということは覚えておいて欲しいと思います。これからの崖っぷちシーズン。今年は彼1人に絞れると言っても良いので、例年よりも馬券勝負がしやすいでしょう。一緒に1ヶ月、追っかけてみませんか? 明日の競馬では、新馬勝ちした経験ある5Rのサンヴァンサン、前々走3着→前走12着の6Rブラウンチーター、距離を一気に伸ばして2戦目の8Rアクアブルーカイあたりが面白いのではないかと思います。最終のヤマニンビサージュも匂うんだけど、特別戦だからなあ…。

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