五輪あれこれ

 思いの外面白い今回の五輪。毎日録画しておいてダイジェストを見て、面白そうな競技だけ再生しています。しかし五輪の裏でやってる甲子園。何か気の毒だ。
■開会式の足形花火は…CG映像だった!

 何も悪いことをしてない。開会式はドキュメンタリーでも何でもないし、盛り上がればいいじゃない。演出としては非常に良かったと思うよ。というか開会式でここだけ「いいなあ」と感じた。後は総じて冗長、かつ押しつけがましい(脂っこすぎる)感じで。

 どんなスポーツ大会でもそうだが、開会式・閉会式、後ハーフタイムショーのようなモノは、スポーツ好きな人ほど興味がない。なんなら邪魔。商業主義の産物で、アマチュアスポーツの祭典には相応しくない。いっそ、全部CGでやればいいのにね。選手の負担も減るし。

 ともあれ、これで「騙された」「中国がまた」と言う方々は色々貧しすぎる感じ。生まれてこの方誇張をしたこともなければ、TVを一度も疑ったこともないのだろうか? TVの箱の中にある世界は8割がフィクションなのに(ニュースですら予断と誇張の集合体だし)。それを分かった上で楽しむ娯楽なのに。「偽造」と「演出」は全く異なる。その区別付かないのかな? 少なくとも言葉は選んで欲しいね。言葉を扱うプロであり、言葉の暴力性は誰よりも知っていなければいけない人たちなんだから。

■谷間広がる連続敗退=日本サッカーにも警鐘

 怒ってるのは誰?

 少なくとも私は全然怒ってない。日本がこのグループ最弱なのは分かってたことだし、それはこの世代云々、監督云々じゃなく、この年代の日本のポジションとしては「アジアを超えたら御の字」以上でも以下でもない。それはこの世代に限らず、シドニーアテネもそうだった。

 そもそも、アトランタ以前はそれすらままならなかった。メキシコなんて古代の奇跡を基準にされても困る。何を天狗になってるんだかと。しかも、天狗になってるのは、協会でも、選手でも、サッカーファンでもなく、普段全然サッカーに興味ないマスコミの方々なわけで。反省や謝罪が必要なのはこういうこと言ってる当人達であって、それを棚に上げて何を偉そうに、と。

 アテネ世代も谷間と言われていたけど、4年経った今、シドニー世代の4年後よりずっと貢献度は高い選手になっている。アトランタシドニー組はとにかく早熟傾向が強かった。今の世代だって、一部の覇気のない選手を除けば、まだピークには程遠い。4年後には、各クラブで主力になって、また五輪世代は「谷間」って言われてるよ。そうして現実逃避することに何の意義があるのだろうか?

 バレーボールとかもそうだけど、トップレベルとは程遠い力のチームを、さもメダル候補のように盛り上げるのは良いけど、そういう人たちが、五輪後の競技に責任を持つのかと言うことだ。メッキを貼るのは勝手だが、貼っておいて剥がれて「純金じゃなかった!」というのをさも手柄面で報道する根性は何なのか。もちろん、こんな幼稚な手段に引っかかる視聴者・観戦者がごく少数だが、そうして少数のファン候補を、自分たちの数字(視聴率・売名)のために遠ざけている事を少しは恥じて欲しいモノだ。まあ、バレーに関してはジャニタレを売るためのタイアップスポーツの座を自ら望んでる部分もあるので、どっちもどっちだけど。

 サッカーで言えば、突破の絡まなくなったオランダ戦は、選手が自分のために楽しみ、経験を積むまたとない機会。いちサッカーファンとしては、一番楽しみな試合だし(もちろん、予選敗退が決まったことも含め)、ここで選手達の今後を占いたい。

■北島選手、「完ぺき」「幸せ」=言葉にならないと涙

 金を期待され、当たり前のように勝つってのは本当に凄いこと。柔道の野村もそうだったけど。日本じゃなかったら(五輪の時だけスポーツファン人口が増す不思議の国)、もっとスーパースターになってていい人たち。特にピークの短いこれらの競技で成し遂げた功績は「快挙」と言うしかない。心から尊敬します。

 金メダリストが安っぽい番組出ているのを見ると悲しくなる。けど、一生遊んで暮らせるわけでもない日本で、彼らにお金が落ちるようになるのは良いことだと思う。でもメダリストに対し「ありがとう」ってのは止めて欲しい。「ありがとう」はないよなあ。


 こんなところ。最近の五輪は「アメリカと中国とその他の国の祭典」ってくらい、両国ばっかり目立つ。日本のような特殊な国を除き、五輪の位置づけがそんなに高くない現状、両国のモチベーションと選手層の厚さ・広さは群を抜いている。

 やっぱり私としてはこの両国以外が勝つところを見たいし、勝つところを見ると感動する。両国は「勝ちがノルマ」になってる感じがして、選手の感動も何処か事務的に感じてしまう。柔道女子52キロ級で銅になったアルジェリアの選手とかは、見ていてすがすがしい。結果を見て、「え、こんな国が?」と感じた競技をよく見ています。日本選手中心であんまりこういう選手を見る機会無いのは残念。だって日本に立ちはだかる敵って、ほとんど中国とアメリカなんだもん〜。飽きた(こら)。

当ブログの一口馬主関連記事の一部はキャロットクラブさまより許可をいただき転載しております。記事の再引用、転載はご遠慮願います。